MEIKEN「建売オープンハウス」の見学
- 2018/01/07
- 23:26
1月6日(土)から、防府市国衙に、地元工務店・銘建が建売オープンハウスの見学を開始。
「コンパクトだけど、豊か」をコンセプトに、土地面積45.5坪、延床面積27.8坪の家で、まずは、広告に載る外壁に木材を多用したセンスの良さそうな雰囲気にひかれ、併せて、最新の銘建情報でも仕入れようと思い、久しぶりの完成見学会に出かける。
訪問者の少ない時間帯で、知識をしっかりと持った担当者が付いてくれたため、いろいろと質問しながら見学。
45坪という狭小土地の中で、暮らしやすい家を提案するため、27坪と延床面積が限られる中、様々に間取りを工夫。最近、30坪前後のこじんまりした家が、4,5年程度と一時的に過ぎない子供の思春期に特別な環境を与えようと思わなければ、結局暮らしやすく、費用対効果に優れた家なのではないかと思うところがあり、それを人に勧めるためにも、27坪程度というこの家を体感したかったところもある。
1階は半独立のキッチンと、12帖のリビング・ダイニングをメインに、2帖のファミリークローゼットを確保していることが特徴。収納スペースが限られ、家具を置くと一気に部屋の圧迫感が生まれてくるサイズ感だからこそ、収納を一箇所にまとめる、ある程度の広さを確保したスペースを家の中心に配置したことは、生活する上で、何かと便利だろう。キッチンから、洗面脱衣室や風呂、トイレの水回りが遠くに離れたことは、限られたサイズで、南側を居住スペースに当てたことによる結果。何を優先するかの工夫を知ると、また見方も変わってくるところ。
天井高を230cmに抑えて落ち着きを感じさせながら、リビング階段に大きな吹き抜けを設けることで、圧迫感を感じさせない、1階と2階を一体的に感じさせる、ゆとりのスペースを演出。個人的に、1階と分離された2階は、同じ建物にあってつながりを感じさせない個室のようなもので、家族の息遣いを感じる一体感のある空間を求めるなら、一定のスペースやランニングコストを犠牲にしたとしても、吹き抜けのような、天井という間仕切りを緩和する、家族の体温を感じ合えるような工夫がほしいと思うところ。2階のスペースを確保するため、リビング自体の吹き抜けが難しい中、階段上部のスペースを使うことで、実質的にリビング吹き抜けを実現する手法はなかなかおもしろい。
床素材は無垢のバーチ材(広葉樹、傷がつきにくい堅い木)、壁は色の白さに特徴があるフランス漆喰、天井はアッシュ材(タモ材)と自然材料をふんだんに使用。ちなみに、バーチ材は今回色味等を重視して初めて使用したようだし、フランス漆喰も光の反射で部屋を広く見せるというこの家のコンセプトに合わせたチャレンジ的な採用の面があるから、標準仕様と考えず、一つの選択肢としてみるのがいいだろう。
2階に上がると、まず、セカンドリビングとして広がる、間仕切りのない広い空間に驚き。大きな窓が光と外の景色を取り入れ、上質な空間を演出。1階と2階の大きな違いは、天井、壁面にクロス生地を使用し、カフェのような居心地のいい、カジュアルなくつろぎの雰囲気を作り出していること。一面落ち着いた色味もあり、意外なほどクロス生地が馴染み、奇抜になりかねない中、そのバランスに感心。このセカンドリビングは、追加の間仕切り工事に対応可能で、子供部屋等の個室として利用することも想定しているのだとか。
奥には、ダブルベッドを余裕をもって置けるベッドルームと、ウェークインクローゼットで構成される主寝室。30坪程度の家では、とかく2階が狭くなるから、できるだけ空間を広く取り、細々と手を加えない方がいいと思っているものだから、この造りは自分の求めるイメージに近いを感じながら見学。ただ、やはり2階トイレを作るスペース・費用があるなら、本棚や収納スペースに回す方がいいとの思いから、そこには一言。どうやら、2階トイレにはその人の育った環境が影響していたり、小さな子供を夜中にトイレに連れていく面倒を避けたいという思いがあったりと、いろいろと事情があることを知る。
27坪というサイズに加え、高気密・高断熱の性能を活かし、基本的にリビングエアコン一つで、全館空調に対応。夏場の対応として、2階にエアコンを設置しているけど、冬場は1階の暖気が吹き抜け階段で2階に上がるから十分との見立て。空気循環のエアパスは不採用。ここまで断熱性能が上がってくると、エアパスのニーズも低くなっていくだろう。
窓は樹脂サッシを標準にしながら、リビングの大窓のみ、規格がないためアルミ樹脂複合サッシを採用。すっかりどこも樹脂サッシ標準仕様の流れがあり、これは少々うらやましい話。オール電化ながら、太陽光発電は不採用。売電価格が下落基調の現在では、採算面から魅力がなくなってきているのかなと思いつつ。
女性目線で見れば、オープンキッチンが主流の中、半独立型をどう感じるのか。料理に集中できていいという見方もできるし、子供が小さいうちはリビングが見渡せないことは目から離れて心配という思いもあるだろう。コンパクトなサイズから、フロア全体を一つの部屋と捉えた感がある。その分、キッチンから水回りへの移動や、洗面室(洗濯機)から外(物干し)への移動等、それぞれに動線が長くなっていて、これを日々のストレスに感じないかと気にかかりもする。
ただ、そうしたことも含めて、45坪の土地、27坪の家で実現する「豊かな暮らし」を提案しようとするものだから、そうしたある種の不便さも、工夫により一定程度克服できていることを楽しめるようでないと、こうしたコンパクトな家を選択することには向いていないといえるのだろう。
もっと収納がほしい、空間にゆとりがほしい、家事動線を使いやすくしたい、子供部屋がほしいと望むのなら、広い土地で、広い家を、それなりの値段を出して建てればいいだけのことなのだから。
土地・建物・外構が、税込2,980万円という価格を聞くと、なんとも魅力的。ただ、決して安売りの建売住宅ではなく、様々なコンセプトをつぎ込んだモデルハウス的な家で、長期優良住宅認定の高品質なことからも、その内訳を聞くと相応の価格だということが分かる。
まず、土地は坪単価15万円と防府市の中心地・松崎小学校区らしい市内トップクラスながら、面積45坪のため680万円と一般的な価格に収まる。建物・外構は税込み2300万円で、坪単価は83万円(税抜き77万円)。銘建にしては高めの印象で、それは、長期優良住宅仕様は共通ながら、天井に木材を使用していたり、フランス漆喰を使用していたりと、何かとこだわりを感じる部分がコストに反映されているのだろう。
コンセプトを振り返れば、豊かな暮らしをするための、「素材やデザイン、性能にこだわりながら予算を考えた、コンパクト&リッチな家造り」の提案。最初から総額の価格にとらわれず、そうしたプレミアムなこだわりに視点を当てていけば、様々なこだわりがみえてきて、その結果としての坪単価にも納得がいくものになるだろう。
玄関ドアには木材を使用し、外壁にも木材を一部使用したり、塗り壁ではなく型押しを取り入れる試みも見られる。ただ、玄関ドアの木材が反ることは、銘建の旧山口市モデルハウスのHIRAYAで実証済み。自分なら、可否は別にして、建売購入時に玄関ドアの変更を要求したくなる。
そして、外壁の木材は見た目がいいのだけど、定期的な塗装をしなければ見るも無残な色落ち、木自体を傷めることになるから、相応の覚悟が必要。聞けば毎年の塗装が必要というし、木が重なる造りは塗るのが難しそうだしと、そうした家いじりを楽しめる人ではないと大きな負担に感じるだろう。ただ、家というのは持つと愛着がわき、そうした負担が苦にならないものだから、これまでの経験から軽々に判断しない方がいいことだけど。
1月オープンのこの家は、3ヶ月ほど見学会に活用し、それから建売販売するよう。質を高めながら、サイズを抑えることで無駄を省き、結果、価格を抑えることは核家族、将来の二人居住のスタイルに沿う、合理的な選択だと思うから、その一つのモデルとして、この家を見ることはいろいろと参考になると思う。
個人的には、銘建は住宅検討時にいろいろお世話になり、気心の知れた関係だと勝手に認識し、住宅建設を予定しない人も快く受け入れてくれるスタンスを知っているから、そこに甘え、なかなか行きづらい完成見学会に久しぶりに足を運んだもので、新たな情報ももらいつつ、4年前より洗練されつつあるセンスも感じることができ、なかなか楽しい時間を過ごせたもので。
百聞は一見に如かずで、住宅会社との相性は、その家を見て、自分で直接感じないと分からない。この建売オープンハウスは、そのコンセプトに限らず、銘建らしさが詰まった家だから、一度訪れてみるのがいいだろう。

「コンパクトだけど、豊か」をコンセプトに、土地面積45.5坪、延床面積27.8坪の家で、まずは、広告に載る外壁に木材を多用したセンスの良さそうな雰囲気にひかれ、併せて、最新の銘建情報でも仕入れようと思い、久しぶりの完成見学会に出かける。
訪問者の少ない時間帯で、知識をしっかりと持った担当者が付いてくれたため、いろいろと質問しながら見学。
45坪という狭小土地の中で、暮らしやすい家を提案するため、27坪と延床面積が限られる中、様々に間取りを工夫。最近、30坪前後のこじんまりした家が、4,5年程度と一時的に過ぎない子供の思春期に特別な環境を与えようと思わなければ、結局暮らしやすく、費用対効果に優れた家なのではないかと思うところがあり、それを人に勧めるためにも、27坪程度というこの家を体感したかったところもある。
1階は半独立のキッチンと、12帖のリビング・ダイニングをメインに、2帖のファミリークローゼットを確保していることが特徴。収納スペースが限られ、家具を置くと一気に部屋の圧迫感が生まれてくるサイズ感だからこそ、収納を一箇所にまとめる、ある程度の広さを確保したスペースを家の中心に配置したことは、生活する上で、何かと便利だろう。キッチンから、洗面脱衣室や風呂、トイレの水回りが遠くに離れたことは、限られたサイズで、南側を居住スペースに当てたことによる結果。何を優先するかの工夫を知ると、また見方も変わってくるところ。
天井高を230cmに抑えて落ち着きを感じさせながら、リビング階段に大きな吹き抜けを設けることで、圧迫感を感じさせない、1階と2階を一体的に感じさせる、ゆとりのスペースを演出。個人的に、1階と分離された2階は、同じ建物にあってつながりを感じさせない個室のようなもので、家族の息遣いを感じる一体感のある空間を求めるなら、一定のスペースやランニングコストを犠牲にしたとしても、吹き抜けのような、天井という間仕切りを緩和する、家族の体温を感じ合えるような工夫がほしいと思うところ。2階のスペースを確保するため、リビング自体の吹き抜けが難しい中、階段上部のスペースを使うことで、実質的にリビング吹き抜けを実現する手法はなかなかおもしろい。
床素材は無垢のバーチ材(広葉樹、傷がつきにくい堅い木)、壁は色の白さに特徴があるフランス漆喰、天井はアッシュ材(タモ材)と自然材料をふんだんに使用。ちなみに、バーチ材は今回色味等を重視して初めて使用したようだし、フランス漆喰も光の反射で部屋を広く見せるというこの家のコンセプトに合わせたチャレンジ的な採用の面があるから、標準仕様と考えず、一つの選択肢としてみるのがいいだろう。
2階に上がると、まず、セカンドリビングとして広がる、間仕切りのない広い空間に驚き。大きな窓が光と外の景色を取り入れ、上質な空間を演出。1階と2階の大きな違いは、天井、壁面にクロス生地を使用し、カフェのような居心地のいい、カジュアルなくつろぎの雰囲気を作り出していること。一面落ち着いた色味もあり、意外なほどクロス生地が馴染み、奇抜になりかねない中、そのバランスに感心。このセカンドリビングは、追加の間仕切り工事に対応可能で、子供部屋等の個室として利用することも想定しているのだとか。
奥には、ダブルベッドを余裕をもって置けるベッドルームと、ウェークインクローゼットで構成される主寝室。30坪程度の家では、とかく2階が狭くなるから、できるだけ空間を広く取り、細々と手を加えない方がいいと思っているものだから、この造りは自分の求めるイメージに近いを感じながら見学。ただ、やはり2階トイレを作るスペース・費用があるなら、本棚や収納スペースに回す方がいいとの思いから、そこには一言。どうやら、2階トイレにはその人の育った環境が影響していたり、小さな子供を夜中にトイレに連れていく面倒を避けたいという思いがあったりと、いろいろと事情があることを知る。
27坪というサイズに加え、高気密・高断熱の性能を活かし、基本的にリビングエアコン一つで、全館空調に対応。夏場の対応として、2階にエアコンを設置しているけど、冬場は1階の暖気が吹き抜け階段で2階に上がるから十分との見立て。空気循環のエアパスは不採用。ここまで断熱性能が上がってくると、エアパスのニーズも低くなっていくだろう。
窓は樹脂サッシを標準にしながら、リビングの大窓のみ、規格がないためアルミ樹脂複合サッシを採用。すっかりどこも樹脂サッシ標準仕様の流れがあり、これは少々うらやましい話。オール電化ながら、太陽光発電は不採用。売電価格が下落基調の現在では、採算面から魅力がなくなってきているのかなと思いつつ。
女性目線で見れば、オープンキッチンが主流の中、半独立型をどう感じるのか。料理に集中できていいという見方もできるし、子供が小さいうちはリビングが見渡せないことは目から離れて心配という思いもあるだろう。コンパクトなサイズから、フロア全体を一つの部屋と捉えた感がある。その分、キッチンから水回りへの移動や、洗面室(洗濯機)から外(物干し)への移動等、それぞれに動線が長くなっていて、これを日々のストレスに感じないかと気にかかりもする。
ただ、そうしたことも含めて、45坪の土地、27坪の家で実現する「豊かな暮らし」を提案しようとするものだから、そうしたある種の不便さも、工夫により一定程度克服できていることを楽しめるようでないと、こうしたコンパクトな家を選択することには向いていないといえるのだろう。
もっと収納がほしい、空間にゆとりがほしい、家事動線を使いやすくしたい、子供部屋がほしいと望むのなら、広い土地で、広い家を、それなりの値段を出して建てればいいだけのことなのだから。
土地・建物・外構が、税込2,980万円という価格を聞くと、なんとも魅力的。ただ、決して安売りの建売住宅ではなく、様々なコンセプトをつぎ込んだモデルハウス的な家で、長期優良住宅認定の高品質なことからも、その内訳を聞くと相応の価格だということが分かる。
まず、土地は坪単価15万円と防府市の中心地・松崎小学校区らしい市内トップクラスながら、面積45坪のため680万円と一般的な価格に収まる。建物・外構は税込み2300万円で、坪単価は83万円(税抜き77万円)。銘建にしては高めの印象で、それは、長期優良住宅仕様は共通ながら、天井に木材を使用していたり、フランス漆喰を使用していたりと、何かとこだわりを感じる部分がコストに反映されているのだろう。
コンセプトを振り返れば、豊かな暮らしをするための、「素材やデザイン、性能にこだわりながら予算を考えた、コンパクト&リッチな家造り」の提案。最初から総額の価格にとらわれず、そうしたプレミアムなこだわりに視点を当てていけば、様々なこだわりがみえてきて、その結果としての坪単価にも納得がいくものになるだろう。
玄関ドアには木材を使用し、外壁にも木材を一部使用したり、塗り壁ではなく型押しを取り入れる試みも見られる。ただ、玄関ドアの木材が反ることは、銘建の旧山口市モデルハウスのHIRAYAで実証済み。自分なら、可否は別にして、建売購入時に玄関ドアの変更を要求したくなる。
そして、外壁の木材は見た目がいいのだけど、定期的な塗装をしなければ見るも無残な色落ち、木自体を傷めることになるから、相応の覚悟が必要。聞けば毎年の塗装が必要というし、木が重なる造りは塗るのが難しそうだしと、そうした家いじりを楽しめる人ではないと大きな負担に感じるだろう。ただ、家というのは持つと愛着がわき、そうした負担が苦にならないものだから、これまでの経験から軽々に判断しない方がいいことだけど。
1月オープンのこの家は、3ヶ月ほど見学会に活用し、それから建売販売するよう。質を高めながら、サイズを抑えることで無駄を省き、結果、価格を抑えることは核家族、将来の二人居住のスタイルに沿う、合理的な選択だと思うから、その一つのモデルとして、この家を見ることはいろいろと参考になると思う。
個人的には、銘建は住宅検討時にいろいろお世話になり、気心の知れた関係だと勝手に認識し、住宅建設を予定しない人も快く受け入れてくれるスタンスを知っているから、そこに甘え、なかなか行きづらい完成見学会に久しぶりに足を運んだもので、新たな情報ももらいつつ、4年前より洗練されつつあるセンスも感じることができ、なかなか楽しい時間を過ごせたもので。
百聞は一見に如かずで、住宅会社との相性は、その家を見て、自分で直接感じないと分からない。この建売オープンハウスは、そのコンセプトに限らず、銘建らしさが詰まった家だから、一度訪れてみるのがいいだろう。
